偽装☆ROMANCE [中編]
あほタツ…。
何考えてんだよ!
と、言おうとしたら、タツの目が釘付けになっていた。
そして小声で呟く。
「あれって…。」
そう言うタツの視線を追って行くと…。
「綺良!?」
俺は思わず口に出して言っていた。
反対側の歩道にいた綺良は、俺と目が合うと、俺たちに向かって ぺこっとお辞儀をしてすたすたと歩いて行った。
「…あれが!?綺良ちゃん!?やばっ!!超かわいくない!?」
隣でタツがわーわー言ってる。
あれ?なんでここに居るんだ、綺良。
今日用事あるんじゃないのかよ
あ、帰って来てからとか?
てか、目合ったのになんでそれだけなんだよ!
久しぶりに会ったってゆーのにお辞儀だけ!?
それは俺が馬鹿だからわかんないだけなのか!?
いいや、もう!
とりあえず…
「ごめん、タツ!!今日の遊び、やっぱなしで!!」
そう言うと、綺良が歩いて行った方に走り出していた。