偽装☆ROMANCE [中編]
探そうと走り出したのはいいけど、こんなとこ一回も来たことがないからどこを探せばいいのかわからない。
30分くらいだったかな?
電話しても出ないし、もう諦めかけて、ぐるぐるとその辺を探していると、知ってる後ろ姿があった。
右手に持ってるのはスーパーの袋…?
「―綺良っ!!」
一瞬、ビクッとしたのがわかった。
そして、恐る恐る振り返った背中。
「暁名くん…?なんで、ここに?」
そう言った綺良の顔は、心底驚いてるようだった。
「それはこっちのセリフ!綺良こそ、なんでここに?」
用事あるんだよな?
「なんでって…?帰り道だし…」
「いや!そうじゃなくて!
…今日。用事あるんじゃないの?」
そう言ったら、綺良は顔を俯かせてしまった。