偽装☆ROMANCE [中編]
「でもっ!ほんと、このデートにかかってるのから!
絶っっ対暁名ちゃんオトして来てね☆」
両肩をがしっ!と掴まれなすがままの私。
「無…無理だよ〜(泣)」
「よし!さすがにもう行かなくちゃ!暁名ちゃんかわいそうだし」
「も、もう!?まだ心の準備がっ!」
だって私、男の人と2人きりになったことだってないし、ましてや遊んだことなんて…!
「さあ!行ってらっしゃ〜い!」
にっこり笑顔で送り出される私。
あ、そういえば、由良ちゃん具合悪いんだ!
「う、うん…てか、由良ちゃんお腹とか平気なの?」
「だーいじょうぶ!頑張って治すから!綺良は暁名ちゃんをオトすことだけを考えといて!
あ、待ち合わせ場所とかメールするから!とりあえず駅に向かって!
じゃあね〜ん☆」
そう言ってドアを閉められた。
ほんとなら、今すぐにでも逃げたいけど、それじゃあ確実に由良ちゃんの恋は実らない。
うぅ… 行くしかないよね…