偽装☆ROMANCE [中編]
「あ…あきな…ちゃん?」
嘘だよね?
そんなはずないでしょ?
確かに…目の前にいる「あの人」は、黒髪で180くらいだけど…
そんな人いくらでもいるじゃん!
「何?どしたの?改まって。つか顔赤くね?」
あぁ…。
確定だね。
こんな奇跡、あるんだ。
「あ…急いで来たから暑くって!ごめんね〜!時間遅れて!」
やらなきゃ。
由良ちゃんを、演じなきゃ。
私は、由良ちゃんと違って「好きな人」だったわけじゃない。
ただ、気になる、それだけ。
勘違いしちゃだめ。
今日起こることはすべて
由良ちゃんのものだってことを。