偽装☆ROMANCE [中編]
長い列に並んで、いよいよ順番が回って来てしまった。
待っている間は、ずっと暁名さんの方から話を振ってくれて、話し易かった。
そして、ついに座席に座ってしまった。
―っうぅ(泣)恐いよ…
「あっれ〜?なんか静かじゃね?」
隣で笑って話しかけてくる。
でも、これだけは由良ちゃんみたく出来ないよぉっ!
「べ、別に!いつもと同じじゃん!」
「そーだよなー♪由良も楽しみにしてたし…あ、走り出した☆」
回りに座ってる人たちもきゃーきゃー言ってはしゃいでる。
私はとゆーと、いよいよ震えが止まらなくて…
「――っ!?」
長いレールを登り始めたとき、暁名さんに手を捕まれた。
「なっなにっ!?暁名ちゃん!」
「え〜?いや、ちょっと恐くなっちゃって☆えへ」
でもその表情は少しも恐くなさそう。まさか…私が恐がってるの気付いて…?
って、そんなはずないか。
由良ちゃんならあり得ないことだしね。