偽装☆ROMANCE [中編]
「私のことは…ほっといて…。」
「なんで?」
ごめんね由良ちゃん…
止まらないや…
絶対、ばらしたくなかったのに。
「あなたは知らないかもしれないけど!私はずっと、あなたを騙してた…。ほんと、最低…。」
また涙が出てくる。
もうこれで、何もかも終わったも同然。
だけど、由良ちゃんは…!
「でも!由良ちゃんはいい人だから!嫌わないであげてください…。
由良ちゃんはちょっと、体調崩しちゃって…。ほんとに、デート楽しみにしてましたっ!暁名さんのこと大好きで……。」
私をまっすぐに見てる暁名さん。
言いたいことは、あとこれだけ。
それは、絶対に言ってはいけない言葉。
こんな風に会わなかったら、伝えないまま終わっていたはずなのに。
「…あと!こんなこと、言っちゃいけないけど…。」
『私が暁名さんを…
好きだって言ったのは、
嘘じゃないよ』
そう言おうとしたはずなのに、由良ちゃんのことを考えちゃって言葉に詰まる。
暁名さんを見つめて、
出てくるのは涙だけ。
『好き』の一言が、言えるってことは、どれ程幸せなことなんだろう。
「―やっぱり、何でもない…っ」
そう言った瞬間。
また
キスされた。