偽装☆ROMANCE [中編]
で、せっかくのチャンスだってのに俺から出た言葉は
「…え、は?」
なんてゆ―間の抜けた言葉だった。俺ってまじ馬鹿…。
自分に呆れてたら、ポケットに突っ込んでた手を強引に外に出されて、ぎゅっとその羊を握らされた。
なにこれ!?
すげぇ…あったかい!
そして
「あ、じゃあ、そういうことで…っ」
そう言って立ち去ろうとするあの子。
いやいやさすがにこのまま別れるとかないよな!?
咄嗟にそう思ったのはよかった。
けど、やっぱり俺は俺だった。
「…あ!待って!…これ、君のでしょ?寒くないの?」
…そんなこと聞きたいんじゃね―だろ!暁名!!
そしてその子は振り向きもせずに
「大丈夫で―す!」
と言って、姿を消した。