偽装☆ROMANCE [中編]
それから俺は、毎朝ホームであの子を探してた。
つっても乗り換えの間だけだからほんの2、3分なんだけどな。
何回か、時間を少しずらしてみたりもした。
だけど結局、会えなかったんだ。
あの日から、ずっとカバンに入れてある羊のケースを眺めては、後悔ばっかりが出てきた。
本気で探せば、制服も知ってることだし、見つかんなくもなかったと思う。
でもこれは、友達にも話していない秘密の気持ちだったからさ?
協力してもらうわけにもいかね―し…。
で、俺は、春休みになって高校に近いとこに引っ越したから、4月からは電車を使うこともなくなった。
そうなるといよいよ会えなくなるよな。と思って、念願のチャリ通だったのに、あんまり嬉しくなかった。
でも始業式のその日、奇跡が起きたわけ!!