偽装☆ROMANCE [中編]


始業式の長ったらしい挨拶が終わって、いよいよクラス替えの紙が配られる。



もう、皆のテンションは最高潮なわけ。でも俺は珍しくおとなしい…



「なんだよ暁名〜。お前なんか珍しくテンション低くね?一番騒ぎそうなのにな!」



後ろに並んでる友達が話しかけてくる。

そーなんだよ!
なんでテンション低いかって!?

だってどう転んだってあの子と一緒になれるはずかないからだよ!



「俺だって低いときくらいあるから!」



そして、回ってきた紙をそいつに渡す。



「…いや〜なんか緊張すんな!どれどれ……お!おぉ!暁名!一緒のクラスじゃん!!やったな♪」



はしゃいでる奴ら皆がどうでもよく思えた。



「…そうだな…」



「うわっなんだその態度!お前も喜べよ―っ!!」



がしっと肩を組まれる。



もう…どうにでもしてくれ。



今日くらいは…



テンション低くてもいいよな…?



きっともう二度と会えないんだからさ…。



< 82 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop