偽装☆ROMANCE [中編]
体育館を出て、新しい教室に向かっていると、まだ肩を組まれたままの状態で歩かされた。
「なんだ〜!?暁名。具合でも悪いか!?いや、この症状は違うな!……これだろ!」
そう言って、小指を立てる。
表現が古いんだよ…。
でも、たまに核心突くんだよな。
「…はぁ。お前には関係ないだろ」
俺にだって、落ち込んでみたいときがあるんだよ。
「…あら〜!驚いた☆あの向井暁名が…恋の病!?」
「そんなんじゃねぇよ…」
「いーや!絶対そうだよね!?…わー!!お前いつからだよ!?彼女!?彼女なのか!?」
「…うざ…」
「うっわー!今の一言!相当重症じゃん!…でもまさかお前が恋で悩むときがくるなんてな〜…(泣)俺は嬉しいよ!」
なんて、肩組みながら泣き真似をする。
「いくら女の子が寄ってきたってないがしろにし続けて来たくせに…!どんだけ羨ましかったか…!」
そんな風に思ってたのかよ!
つか女の子寄ってくるって…あんなの皆、友達みたいなもんだろ?
「はいはいはい。…あ、ここじゃね?」
そいつの話を聞いてたら、教室についた。