人気No.1のおブスなキャバ嬢の話し

『スターズ』の店長は目を丸くした。

面接をした時、全く期待をしていなかったノーマークの尚子が忙しそうに仕事をしているのだ。

いくつもの指名卓を抱えて、客の嫉妬を背に次のテーブルへと向かう尚子は、もしかしたらいい女なのかと錯覚しそうになった。

尚子は〔いくつもの指名卓を抱えて〕を利用していたのだ。

わざと、同じ日の同じ時間に客を呼ぶのだ。

『今日は絶対暇だから』

暇と言いつつ、一人の卓につける時間は10分がいいとこだ。

客は自分だけの尚子のはずが

ブスでモテないはずの尚子が、

他の客からも口説かれていると思うと我慢がならず、ムキになって延長し続けた。

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