永久のMelody

フルートを持ち主に返して、いつのまにか来た道を戻り出した龍にオレは言った。


「なぁ、龍…もしかして、さっきの曲が前言ってた…」


聞いて良いことなのか
分かんないけど。

あんな辛そうな龍を見たら黙ってらんなかった。


「…だったら?」

…オレにはなんも言えなかった。


“気にすんなよ”とか?

“いいや、別に…”とか?


「…ッ、」


言えるわけねぇよ。

さすがにオレでも。

気にすんなよなんて。

オレに何がわかる?

確かに龍の過去を知ってる。

だから何だよ。

そんだけなんだよ。

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