短編オムニバス「平和への言葉」
リーダーが、俺たちに命じた、大事な任務。

俺たちの主張を判らせるために、俺をはじめ、何人もの同志が同時に行動を起こす。

国の要所で、同時刻に自爆テロを起こすのだ。

なるべく、人の多い時間、昼間を狙って、なるべくたくさんの人を道連れにしなくてはならない。

犠牲者が多ければ多いほど、要求が通りやすくなるらしい。

俺には、その結果を知る術はないのだが。

同志たちの一部は志願をしたが、俺は別に志願した訳じゃない。

だが、リーダーに命じられたのだから、立派に任務をこなそうと思っている。

俺の任務は重要だ。

あの建物の最上階にいる人物を、何とか道連れにして逝かなければならない。

そのために、俺の背負わされた爆弾は、他の同志たちの3倍もの量だった。



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