短編オムニバス「平和への言葉」
だめだよ、リーダー。

俺には出来ない。

見ず知らずの人間なら、いくらでも巻き添えにできると思っていた。

でも、知り合いになってしまった、この親切な小さな女の子の命を奪うなんて、俺には出来ない。

同志たち、行動を起こす予定の同志たち。

君らも、君らのそばにも、この子のような小さな女の子はいないか?

その子達の命を奪う権利が誰にある?

例え俺たちの主張がどれほど正しいものだとしても、こんな方法でしか、本当に訴えられないのだろうか?

これは、正しい手段なのか?



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