短編オムニバス「平和への言葉」
俺は、がっくりと肩を落とした。

俺は、裏切り者になるのだろう。

でも、どうしても、この小さな女の子を道連れには出来ない。

だが、任務は果たさなければ。

俺は、一つの方法を考えついた。

それが成功するかは判らなかったし、本来の目的である人物を道連れにすることもできない。

でも、俺一人の命は、捧げなくてはならないだろう。

俺は、決心を固めると、女の子の方を向いた。

「ありがとう。でも大丈夫、ここから先は、俺一人で行けるよ。

君の名前、聞いてもいいかな?」

俺がそう言うと、女の子はいたずらっぽい笑みを浮かべた。

「じゃぁ、あててみて!」

楽しそうに笑いながら話し出す。


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