短編オムニバス「平和への言葉」
それだけ言うと、女の子は建物に向かって走り出した。

「じゃぁまたね、おにいさん!」

手を振って去っていく。

しばらく俺は悩んでいた。

女の子の名前が判らなかったから。

命?

違うな、人が与えたがるモノ、に当てはまらない。

心?

パパとママがくれるモノ、じゃないし、やっぱり人が与えたがるモノ、に当てはまらない。

何だろう?

しばらく悩んだ後、俺はハッと、気が付いた。

そっか、そういうことか……。

俺は、自然と微笑みが浮かんできた。




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