感染屍神
「……特に、最初と最後を除いて変なところはないな。じゃ、次真田の家に行っても良いか?」



「うん。あ、でもあたしの家、男子が二人も来たらあまり良く思わないかも。翔太は一応彼氏だからいいとして」



「……んじゃ、俺の人脈で」


俺は携帯を取り出す。


アドレスや番号を知っている女子で、来てくれそうな奴―…




「鎌原紗梨奈は?」


鎌原紗梨奈は俺のハトコだ。


同じ学年だから親しく付き合っていたが、最近はクラスが離れて、部活もあいつは吹奏楽に入ったから、疎遠になっていた。



「「鎌原さんっ?!」」


「……え、何」


二人が揃って叫んだ。



「鎌原紗梨奈って言えば、学校のマドンナ的存在じゃねぇか!てめぇなんでアドレス知ってんの!」


「ハトコ」


うぇぇぇ、という羨望の眼差しが二人から。三峰はともかく、真田までということは、相当なものなのだろう。


「畜生、だからお前は男前なのかー!」


「……紗梨奈ちゃんのハトコだったら、そりゃかっこいいよね、神原くん…」


部屋の隅で何やら騒いでいたが、聞こえなかった。
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