私の王子様-社長【完】
『それは恋だよ!!』
昼休み、屋上に百合の声が響く。
「こ、恋?!」
私はこの不思議な気持ちを百合に相談した。
それにしても恋なんて…
「そうだよ。それは恋だよ!!」
「ゆ、百合。それは違うよきっと…恋とかそういうのじゃ…」
その気持ちが恋と言われ、完璧にそうじゃないと言い切れない自分がいた。
いくら鈍感と言われる私でも自分の気持ちくらいわかる。
だから今まで恋っていう言葉に結び付きそうになったとき
必死にそれを頭の中から消してたんじゃない。
それをいとも簡単に恋と言ってしまう百合。
私の中に再び恋という文字が生まれた。
「おめでと~初恋?」
「はぁ~」
その質問に声にならないため息が漏れる。