私の王子様-社長【完】
意識がはっきりしたところで私は陽に抱きつく。
「私ね…思い出したの」
「事故のことか?」
「うん。お父さんは私を守ってくれた。それで…それでお父さんは!」
私が最後まで言う前に陽は私の口を手で押さえた。
「それ以上は言わなくていい。お前が自分を責める理由なんてない」
「でも…」
「そうですよね…お母さん?」
陽は後ろを振り向きお母さんに話しかける。
お母さんはなぜか目に涙を浮かべていた。