私の王子様-社長【完】
「ただいま」
時刻は8時いつも通りの時間に陽は帰って来た。
「お、お帰り」
「おう、ご飯できてる?」
背広を脱ぎながら私に聞く。
「当たり前でしょ」
私はその背広を一応受け取りながら答える。
これじゃまるで夫婦。
だけどこれが普通になりつつあるわけで…
そこが悩みだったりする。
「食べようか」
「うん」
そしていつものようにご飯を食べ始める。
私はちらちら陽の様子をうかがう。
「うまいな」
その一言にほっとする。
じつは私がちらちら見ているのは料理が陽の口に合うかちょっと心配だから。
陽はお坊ちゃんだし私とは好みが違いそうだし…
これじゃ彼氏に初めて料理を作ってあげる彼女みたいでいやなんだけど
料理をおいしいって食べてもらうのって悪いことじゃないなと
陽に教えてもらった。