私の王子様-社長【完】
私は一度だけ真夜中に目が覚めた時がある。
その時に横で眠っているはずの陽の姿がないことに気付いた。
不審に思ってドアを開けるとリビングで陽がパソコンをいじっている姿が見えた。
こんな夜中に何やってるんだろう?
と思ったものの私は睡魔には勝てずまた眠ったのだ。
きっと毎日そんな感じだったんだと思う。
朝も私のために送ってくれて、私につくしてくれてた。
「馬鹿…」
これは陽に対してなのに自分に対してなのか…
いや、どっちにも言っていたのかもしれない。
私はとりあえずご飯を食べ陽にどうやって許してもらおうか考えることにした。
いつも元気な陽が元気じゃないのはつらいから…
元気?
いつも本当に元気なの?
本当は疲れてるのにいつも無理して笑ってくれてたんじゃないの?
きっとそうなんだ…
私はそう思った。