1/2 〜危険なベターハーフ〜
騎士の約束
いつもの朝とは違う。
少し早めに家を出なくては
ならない理由があった。
美羽ちゃんを守るため。
桜井からも念を押されていた。
美羽ちゃんは最近周りの視線を気にして、誰かに見られているような視線を感じてしまうようだ。
独りで行動しないように
気をつけているらしい。
何かと物騒だからな。
紗雪ちゃんと帰りは帰宅するようにし、出勤時は俺が付き添うことを決めていた。
帰宅時間まではさすがに上司と伴っていては、ついそこで会ったという出勤時の言い訳も効かなそうだったから、というのが本音。
なるべく何事もなく、周りが落ち着くまではサポートしようというところだ。
桜井のマンションに車を停めると
滑り込むようにして美羽ちゃんが
後部座席に乗り込んだ。
「おはようございます…
朝早くから申し訳ありません」
久し振りに見た美羽ちゃんは、
一回り痩せたような気がした。
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