1/2 〜危険なベターハーフ〜


「浅野さん、大丈夫ですか?」

柔らかくて切ない、
美羽ちゃんのソプラノヴォイス。



どこか甘い声は
俺をどこまでも離さない。



「大丈夫だ、美羽ちゃん。
ちょっとした風邪だから」



口許が緩む。

目尻が下がり
声も俺の声とは思えない。



「熱があるんですか?
お薬は飲まれましたか?」

どこまでも美羽ちゃんは
誰にでも優しいんだな…



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