世界の説明書






「あああああああ、あ、 どうしよう。どうすればいいんだろう。ママ、ママ、さっき、さっきね、僕が公園で遊んでいたら急に怒った野良ネコが追っかけてくるから、逃げようとしたら、そうしたら、そうしたらね、いきなり後ろに小さな女の子がいて、それで、それで、その子に僕がぶつかって、それで、それでね、その子がね、いきなり現れたバイクに轢かれそうになって、で、それに乗ってたお兄さんとぶつかっちゃったんだ。どうしよ、どうしよう。」


「どうしたの、坊や、どうしたの。落ち着いて、落ち着いてね、そんなに一気に話されても何がなんだか分かりません。坊やが公園で遊んでいたら女の子とぶつかったのね、それでその子が今度はバイクに轢かれてしまったって事なの。どうなの。」

「そうだよ、僕がぶつかったから、あの子は車の道に出てしまった。そうしたら、突然バイクがつこんできたの。でも、バイクは違う所にぶつかって、それに乗ってた人が、その子の上におっこちたの、ねえ、ねえ、どうしよう、ママ、ねえどうしたらいいのだろう。」

 「それで、その子はどうなったの。落ち着いて話してごらんなさい。」

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