蕾
そんなこんなで、静に助けられ仲直りした私達。
少しシャクだけど……
ありがとう
と言わなきゃね。
涼の手がそっと私の前髪を上げる。
ゆっくりと涼の顔が近づき、額にそっと唇が触れる。
多分、惚れているのは私の方。
でも教えてあげない。
シャクだから。
私は涼の胸に体を預けた。
ドキドキと涼の鼓動が聞こえる。
なんだか、心地良くて珍しく甘える私をギュッと抱き締めてくれた涼。
ゆっくりと心がほぐれていった。