蕾
多分、今ので少し老けた気がする。
確かにチャンスかもしれないけど、かなりの賭けになるのだ。
今の生活に不満は無い。
でも、佐々木さんの話も興味が無い訳じゃない。
選択は二つに一つ。
とりあえず、今日話を聞こう。
考えるのは、それからよね。
私はデスクが有るフロアに戻って来ると、コーヒーを買ってから戻った。
椅子に座ると、涼が早速メールを送ってきた。
「何か有りました?顔が疲れてますよ。」
確かに……
疲れたもん。
「後で話すわ」
そう打つと、コーヒーを開けた。
コーヒーがいつもより苦く感じたのは、気のせいかな。