蕾
結局、家に着いたのは十一時半を回っていて、疲れている涼はソファーで寝てしまっていた。
やっぱり、犬みたい。
律儀にもご飯の用意までしてね。
フフッと笑みを溢すと、毛布を一枚かけてあげる。
私は、寝室にビビアンの鞄を置くと、先にシャワーを浴びる事にした。
佐々木先輩には、答えを出すのに一週間待ってもらう事にしたのだ。
当然だろう。
今後を決める事になるんだから、一週間だって短い位だ。
心地よいシャワーの温かさに包まれながらも、なかなか仕事モードから抜け出せなかった。
家に帰ってまで仕事の事を考えちゃうなんて、私らしくないな。
キュッとシャワーを止めると、仕事の事も洗い流したかの様にお風呂場を後にした。