蕾
ジャージに着替えた私は静に居間に向かうと、涼を起こさない様にご飯を食べた。
不恰好な野菜たっぷりのカレーは、すごく美味しくて見直したな。
誉めてあげなきゃね。
私は寝ている涼の頬にキスをすると、耳元で
「ありがとね」
と小声で言った。
――――グイッ
えっ?!
あまりにも急な事に理解出来ないんですが……
何故か涼の上に居て、抱きしめられたりしてたりなんかして。
犬なのに、意外と力強い。
なんて、又してもくだらない事を考えているし。