「美味しかった?」

なんて今度は私が耳元で囁かれる番。

「いつから起きてたの?」

「……さっき」

じゃあ、『ありがとね』もバッチリ聞かれていた訳ですね?

「バカッ」

「そんな事言われたら、余計好きになる。俺、Mだから」

って、良く言うわよ。
最初はソレが嫌で別れたのは、どこのどちら様でしたっけ?


「じゃあ、もう言わない。ってか、苦しいから放して」

「ヤダ。好きって言ってくれなきゃ離さない」

バカね~~
私に勝てると思ってるの?

「蹴るよ?」

「えっ?」

「股間……蹴るよ?」


その後の涼の落ち込んだ姿は、本当に可愛くて抱き締めたくなったわ。

やっぱり、涼には自然体で居て欲しいわね。

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