もう一つの選択肢

結局、何だかんだ自分の中で整理がつかないまま、四日も過ぎてしまった。

明日には佐々木先輩に返答をしなければならないのに、全く決まらない結論。


流石に焦る。


気分転換にと思い、屋上でランチタイムを……なんて思ったものの、何だかご飯を食べる気にならない。

こんなにも天気が良いのに、全く晴れない私の心。


大体、一週間なんて短すぎじゃない?

なんて、ボソッと愚痴ってみる。


「はぁ~~」

と、大きくため息をつきながら空を見上げた。


「梓先輩」


見上げた私の視界に突然のドアップの顔を覗かせた輩。


「涼!!」


あまりにも驚いて、つい何時も呼び方をしてしまい、慌てて手で口を塞いだ。


ベンチごと倒れなくて良かったと、心底思った。

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