蕾
「最近、たまに思うんです。先輩にとって俺存在って何なんだろう?って……」
「存在?そんなの……」
私の言葉を遮り、涼が再び口を開いた。
「ペット?」
「……」
「ペットだって感情や意志が有るんですよ」
涼はニッコリ笑ってから、近くの灰皿で火を消した。
私は何か間違って居たのだろうか?
涼は一気に缶コーヒを飲み干すと、
「今日、久しぶりに夕飯食べに行きません?」
「えっ?ああ、うん」
私は一つ頷くと、それを見た涼は笑顔で頷き返し、その場を去って行った。
涼にも相談するべきだったのだろうか……
モヤモヤした気持ちのまま、涼が消したタバコの吸い殻を眺めていた。