蕾
終業の時刻になり、仕事が一段落した私は、涼にメールを送り一足先に会社から出てて来た。
久しぶりのデートだから、何だかすごく嬉しいな。
普通のデートなのにね。
道はイルミネーションで飾られていて、街全体がアミューズメントパークみたいになっていた。
おかげでカップルだらけ。
仲良さげに話をしていたり、これでもかって位くっついていたり。
みているこっちが恥ずかしくなる位だった。
そんな私も、初めはそんな時もあったな。
涼との付き合い始めを思い出して、何だか照れくさくなり一人クスッと笑ってしまう。
私にとって、涼の存在……か。
昼間の涼の言葉を思い出してしまった。
そんな事考えた事が無かったよ。
当たり前の様に隣に居る人……かな。
あまりにも一緒に居すぎて、良く分からないや。
その時、ポケットで携帯電話のバイブが鳴った。
涼の仕事が終わったみたいだな。
私はメールをチェックすると、約束の場所に向かった。