蕾
「ごめんごめん!お待たせ~」
会社で見るのとは明らかに違う、プライベートな顔。
そういえば、最近ちゃんと向かい合って話してなかったななんて思った。
「待った!!」
そういうと、珍しく涼の腕に手を絡ませくっついた。
「ど……どうしたの?!珍しい!」
まるで珍獣を見るかのように、目を真ん丸くして私を見る涼。
多分、イルミネーションマジックだと思う。
もちろん、そんな事は言うわけもなく
「いいのっ!」
と、言いながら涼が予約していたレストランに向うよう促した。
珍しく、涼がイタリアンなんか予約しちゃったんだよ。
きっと、私が余りにも疲れた顔をしていたからだね。
ありがとう、涼。