「好きなもの頼みなよ」

たまに、涼が自分より年上に感じる事が有る。


例えば、こんな時。

優柔不断な私がメニューが決まらなくて涼に丸投げしても、笑いながら涼は全てをサラッと決めてオーダーしてくれる。


こんな時、私は内心尊敬する反面、

『いつもはドMのクセに~』

と、自分しか知らない涼を知っている事に優越感を感じる。


やっぱり、私はひねくれていると思う。

ウェイターが赤ワインを持ってきて、私達の前に置いた。

赤ワインのフルーティな香りが鼻を刺激し、何とも言えない幸せな気持ちにさせてくれた。


「カンパイ」


そう言うと、赤色の液体を口に含んだ。

噂通り、最高に美味しくて幸せな気持ちは最高潮に達する。


< 122 / 138 >

この作品をシェア

pagetop