蕾
「もしもし」
「あ~ずささん」
ふいに、電話の声と外から聞こえる声とがリンクする。
えっ?!
顔を上げると、満面の笑みを浮かべた涼がこれでもかって位手を振っていた。
お前は少年か!
と、内心ツッコミながら涼の元に向かった。
「何してるの?」
「梓さんを待って居たんですよ~」
って、私メールとかしてないよね?
まさか……
「えっ、いつから?」
「8時から」
普通に言ってますけど、今10時ですから!!
ってか、メールとか文明の利器が有るんだから、連絡してよ。
君は忠犬ハチ公か!
ガックリと肩を落とす私に、「なんで?」と首を傾げる涼。
パジャマみたいな格好で……
誰かに見られても知らないんだから。