蕾
言葉よりも大切な事を知った。
そんなグシャグシャな私を慰める訳でもなく、いつもの様に話しかけてくる涼。
「アイス買っといたよ~帰ったら食べよう」
そう言うと、頭をポンポンと撫でてくる。
そんな何気ない仕草に、又、涙が止まらなくなるよ。
『うん』と頷くと、涼を見上げた。
「ん?」
と、言いながら私を見ると
「泣き虫な奥さんだなぁ~」
って。
「キライキライキライ……」
なんて憎まれ口を叩きながら、涼のパーカーを掴みながら揺さぶった。
「もう……」
と、私の手を掴むと体ごと引き寄せ、無理矢理に唇を重ねてくる涼。