蕾
突然の別れ
「こんな遅くにごめんね」
「もう、良いわよ。さっさと話して帰ってくれる?」
こんな時にも邪険に扱ってしまう私は、つくづくドSだなって実感。
「梓さん……なんで、そんな事ばっかり言うんですか?」
泣きそうな声の涼。
「あんたが夜に来るからでしょ」
私は極力落ちついた様子で話す。
「……梓さん…俺の事、本当に好き?」
又、いつもの質問。
あまりにも当たり前で、私の本心を分かりきっていると思っていた。
だから私は、あくまでもいつも通り接したのだ。
「は??そんな事聞きに来たの?だから普通だって」
その言葉を聞いた涼は、ただ一言
「好きじゃない…のか…」
と言った。
何だか、その一言がすごく重くて胸が締め付けられた。
涼は、分かっているよね?
これが私の愛の形なんだよ。
分かっているよね?
私は黙りこんだ。