蕾
私にとっては、突然の別れ話だった。
そんなの嫌よ!!!
私は涼を好きなんだから……
でも、口からは
「好きにすれば、別れたきゃ別れるわよ」
なんで、そんな事口走って……
今思うと、涼は私の愛情を計っていたんだなって思う。
でもね。
私はSなの。
目の前が真っ白になる。
クラクラする。
「分かったよ。梓さんがそこまで言うなんて思わなかった。さよなら」
さよならって……
私達の1年半は、こんなに簡単に終わってしまえる位簡単なもんだったの?
――――バタン
無情にもドアは閉まり、涼は絶望感だけを残して帰って行った。
追いかけたい……
でも、S的に出来ない…
私は、ドアを呆然と立ち尽くして見ていた。
涙が溢れ出る。
下から自転車を出す音が聞こえてきた。
本当に行ってしまったんだね。
私は、まだ愛してるのに。