蕾
いや正確に言うと、愛してるからこそこうなるのだ。
「梓さん~こうゆうのやですよ~」
「ふ~ん、そんな事言うんだ?」
そう言いながら、ゾクゾクするのを感じる私。
「……梓さん俺の事好き?」
こんな事を聞いちゃう辺りが、
『もう、私の事好きなんでしょ』
なんて、私の心をくすぐるのよね。
もちろん、私はいつも通り答えてあげるの。
「普通」
ってね。
「ひどい~~」
そんな風に叫ぶ涼の悲しげな顔は、ものすごく可愛い。
でも、それが嬉しいのを知ってるわ。
そう、涼はドM。
いや、私がMを開花させてあげたの。
もちろん、付き合ってからね。
涼の嫌がる顔を見ると、ゾクゾクする。
たまらないのね。
もちろん、こんな私を知ってるのは涼と親友の裕子だけ。
何を隠そう、裕子もドS。
だから安心して話せるの。