蕾
ひっきりなしに溢れ出る涙。
きっと涙が枯れるまで泣いたら、楽になるんだろうな。
そう信じていたけど、そう簡単に涙は止まってはくれなかった。
『好き』
そう、1人呟く私。
でも、もう遅い。
私は涼との写真を見ながら、一晩中泣き続けた。
別れたと言う事実を受け入れられないまま、長い夜はあっという間に過ぎていった。
写真に写る私達は、ものすごく幸せそうな笑顔で笑っている。
どうして、すれ違ってしまったんだろう?
勿論、1年半の間に喧嘩も沢山した。
怒鳴り合ったりもした。
でも、必ず話し合って解決してきたのに。
だから、いきなり別れを切り出されるなんて……考えられなかった。
きっと、少しづつ積み重ねてきた歪みが、今日をきっかけに爆発してしまったんだね。
涼の温もりが無い今、心にポッカリと穴が開いてしまったのがよく分かる。
私の大半を涼が占めていたんだね。