蕾
何だか、恋愛に一喜一憂している自分にも嫌気がさす。
私、こんなんだったっけ?
きっとイライラしているのが出ていたのだろう、私に話しかけに来る子達はみんなビクビクしていた。
最悪のお局様。
今日で終わりにしよう。
パソコンの画面には、まだメールを1件受信しましたって吹き出しが出たままだったが、私はパソコンの電源をおとした。
そして、就業と共に足早で会社を出た。
いつも、ギリギリまで仕事している私がこんなに早く帰っている事に、皆びっくりした目で見ていたな。
たまには良いよね?
小百合嬢のデスクの前を、挨拶しながら通りかかった時
『たまには、息抜きも必要よ』
そう言って私の背中を叩いた。
振り返ったらニヤリと笑いかける、小百合嬢が居た。
なんだか、小百合嬢には全て見透かされている気がするわ。
『そうね』
私は小百合嬢に返事をすると、足早に階段に向かった。