蕾
どうにでもなれ……
フラフラと歩きながら、やっと家の近くまで着いた。
意識はしっかりしてる。
それがより一層、自分を惨めにしていた。
【自分の撒いた種は自分で処理しなさい】
いつもは、部下に言っている言葉なのにね。
ふと、こんな情けない状況に笑えてきた
。
ただ、悪い事は重なるもので、なんとヒールが排水溝にハマり、折れてしまった。
私は、必死で何かに捕まろうとしたが、無惨にも空を掴みながら前のめりになり、派手に転んでしまった。
ストッキングは破け、膝は擦り剥けてそこからは血が滲んでいた。
心が痛い。
「やっぱり神様なんか居ない」
そう呟いた。