蕾
すごすごと座る涼。
私は、1つ溜め息を吐くと、
「1つ目、静は何で涼の携帯番号を知っているの?」
涼は、俯きながら
「だって、静の上司だから…困ったときに相談したいって言うから」
そう言うの。
まったく、過保護な上司なんだから。
私は、もう一つの質問を聞いた。
「2つ目、いつも通りってどういう事?」
その質問をした時、涼の目が少し泳いだのを見逃さなかった。
「……それは…」
そう、口ごもる涼に追い討ちをかける。
「話せない事でも有ったの?」
涼は慌てて
「ないないない!!!有る訳無いじゃん」
そう言うんだよね。
「じゃあ、話して」
私は、あくまでも淡々と聞いた。