涼は肩をすくめて、上目使いで私を見た。


可愛い……



って言ってる場合じゃないわね。



涼は、覚悟したように

「実は……」

と、話し始めた。


どうやら、以前に静からご飯を静の家で振る舞ってもらった事が有ったみたい。


しかも、3回も……



呆れて物も言えないわ。




「お世話になってる御礼だって言うから……」


ほぉ~~何かい。


お世話になったからって、女の家にヒョイヒョイ簡単に上がるんかい?


私が黙っていると、慌てて


「もちろん何にも無いよ!!静とずっと梓さんの話をしてたし……」


って当たり前だよ。


何か有ったら許してないから。


でも、隠してたなんて……


ますます怪しいじゃない。


「涼君」


私はスプーンをテーブルに置いて、なるべく低い声で聞いた。


「は…はい」


涼はただならぬ私の殺気に、固まってしまっていた。


「もし、逆の立場だったらどう?」


私は、わざと優しい口調で聞いた。



涼は少し考えた後、

「……やだ」

と子供の様に言った。


「じゃあ、分かるよね」


私は涼から視線を外して、又オムライスを食べ始めた。

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