何やってんだ、私。


私は恥ずかしさが込み上げてきて、涼の横をすり抜けて先にデスクに戻った。



全く、どうしちゃったのかしら……



私は午前中の仕事を済ますと、屋上で昼ご飯を食べる事にした。


屋上は、ベンチが少し有るものの殺風景でタバコを吸う男性社員以外はあんまり来ないのだ。

私は1人になりたい時に、良くここに来ていた。



ふぅ~~~~



私はため息をつくと、ベンチに座った。



「今日は見えないな…」



私は小さな声で呟いた。


ここからは、天気が良い時は富士山が見えるのだ。


もちろん、遠くの方に小さくだけど日本を代表する山だけあり、なかなか元気を貰えるのだ。


日本人で良かったって思える時だ。


今日は、あいにくの曇り空。
もちろん、富士山は雲隠れしてしまい姿を消していた。



すると、


「見えないですね…」


後ろから声がした。

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