「ま……待って…」


私はかろうじて静のキスから逃げると、
体制を整えた。

と言っても、内心心臓は爆発しそうな位ドキドキしている。


全くって言って良い程、冷静では無かった。


静は今にも泣き出してしまいそうな顔で、私の顔を見つめていた。


私は、静かに話始めた。


「静、私は静の事は好きよ」


そう言った私に、グッと近づいてくる静。


私は静を制して、




「でも、私は女性を愛する事は出来ない」



そう、はっきりと告げた。




静は、俯いたまま涙を流していた。


< 66 / 138 >

この作品をシェア

pagetop