蕾
「ま……待って…」
私はかろうじて静のキスから逃げると、
体制を整えた。
と言っても、内心心臓は爆発しそうな位ドキドキしている。
全くって言って良い程、冷静では無かった。
静は今にも泣き出してしまいそうな顔で、私の顔を見つめていた。
私は、静かに話始めた。
「静、私は静の事は好きよ」
そう言った私に、グッと近づいてくる静。
私は静を制して、
「でも、私は女性を愛する事は出来ない」
そう、はっきりと告げた。
静は、俯いたまま涙を流していた。