蕾
温かい気持ち
私はブランコに座ると、子供の様にこぎ始めた。
こんな事、普通じゃ絶対しないのに……
はしゃぐ私の横には、呆れ顔の涼が立っている。
「梓さん、はしゃぎ過ぎです」
そう言いながら、ブランコの周りの柵に座る涼。
私は、ブランコから飛び降りると
「そんな事言うと、静に乗り換えるわよ」
って言った。
もちろん、そんな訳は無いんだけど膨れっ面の涼を見てると、いじめたくなっちゃうんだよね。
きっと、
『梓さ~ん』
とか言ってくるかと思ってたら、
いきなり、私をグイッと引っ張り
「俺、梓さんだけは渡さないから」
そう耳元で囁いたの。