蕾
「やっぱり、素直じゃないなぁ」
そう耳元で囁く涼。
えっ?
そう思って振り返ると、
涼は、そっと唇を重ねてきた。
あまりに急で、目を閉じるのを忘れてしまう位予想外だった。
唇を離した涼は
「目ぐらい閉じて下さい」
って笑っていた。
真っ赤な顔を見られたくなくて、俯いている私に
「甘えたかったんでしょう?」
なんて言ってくる涼。
まいったな。
君は魔法使い?
何でこんなに、私の気持ちが分かるの?