10分後には、涼は出て行っていた。


マジ最悪な取引先。


嫌な顔せずに接待をしなきゃならないって思うと吐き気がするね。


「頑張ってくるわ」


そう言って出て行った涼を、ますます好きになった。

私はさっきまで食べていた、涼の食器を片付けてテレビを付けた。


テレビの中のアナウンサーは、今日の事件を真剣な顔で話している。

殺人事件や誘拐事件が主なニュース。


物騒な世の中だな。


いつから、人が人を当たり前の様に傷つける時代になったんだろう…

私はテレビを消し、ベットに横になった



気が付いたら、時計は夜中の12時を回っていた。


すぐ眠くなるのは年のせいかな?


なんて考えながら、携帯を開いた。

いつも通りの画面が、私をお出迎えする。

私は着信履歴から涼の番号を出し、かけてみた。


しかし、案の定留守電。


相当連れまわされて居るらしい。
本当に嫌になるわ。


最近の疲れで、目を閉じると知らないうちに眠りについていた。



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