すると、パソコンにメールが届く。


【題名:至急案件】


これは、涼からのメール。

会社のパソコンだから、誰に見られてるか分からないからね。

だから、私達がやり取りする時の題名を『至急案件』にしようと涼と約束したのだ。

私はメールを開いた。


【梓さん、心配?】


……なんか悔しい。


私のデスクは、みんなを見渡せる様な配置になっている。

だから、良いのか悪いのか涼の行動が全て分かってしまうのだ。


【そんなわけ無いでしょ!!ばっかじゃないの?】


私はあくまでも強気なメールを返した。

すぐに帰って来る返信メールには


【そっか…】


って……


うそうそ!!違うのに。


本当は心配だし、超嫉妬してるの!!

さっきだって、新入社員の宮沢 静〈みやざわ しずか〉が熱い視線を送ってるのを見ちゃったんだから。


本当に気が気じゃないわ。


そんな事を心で思っても、顔には出せないのが辛い。


一応、私もプロ。

だから、淡々と仕事をこなす。

それが、会社での私の役目だから……

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